音声言語医学
(1998年10月20日発行第39巻第4号)
「音声言語医学」に特集として食道発声に関したことが記載されていたので概略を紹介します。
特集:無喉頭音声ー習得方法と発声機構
- 人工喉頭音声
(大阪医科大学耳鼻咽喉科:J.I)
無喉頭者約1000名を対象として、空気式(笛式)、および電気式(EL)人工喉頭の使用状況と、使用満足度などをアンケート調査した。
その結果、食道音声の習得不能者や、一旦習得しても高齢に達して使用できなくなった場合には、人工喉頭は必要不可欠である。
その習得にあたっては、食道音声と同様に発声指導が必要であることを確認にした。
- 食道音声
(名古屋市:K.N、藤田保健衛生大耳鼻咽喉科:S.I)
食道発声時に空気力学的検査(基本周波数、音圧、流率)を行い、同時に新声門の上下圧を測定して検討した。
- 食道音声の訓練
(北里大学医療衛生学部:N.K)
食道発声には無喉頭者が互いに教えあうことが多い。
しかし、習熟するためには喉頭摘出前後の発声発語気管の変化などの知識が必要であり、言語治療士の役割は大きい。
食道音声の訓練については、空気摂取、発声、構音の順におこなう。すなわち、系統的な言語治療の手法が必要である。
- 気管食道瘻音声の発声機構
(神戸大学医学部耳鼻咽喉科教室:M.Kほか)
過去20余年間に行ってきた気管食道瘻形成術による音声再建成績と気管食道瘻音声の発声機構の概要が述べてある。
気管食道音声は声の高さや強さをある程度変化させることができ、また有声、無声音の出しわけも可能である。
- 気管食道瘻音声、食道音声
(北海道大学医学部耳鼻咽喉科:N.N、Y.M)
新声門調節をめぐって記載されています。