心の支え北鈴会
(K.Iさん;北の鈴11号より)


 術後まもなく一時問余りの講演の後「先生、よかったですね、声が普通どおり出て…」と言われ、ああ、声が出なかったのは夢だったんだとほっとしたのも束の間、再び目が醒め現実の自分に戻った時のむなしさ…。

 昔の職場を訪ねた時、後輩から「声はいつ出るんですか…」と聞かれ、一瞬戸惑ったことも…。三月末には町内会長として審議をどう進めるか…。
挨拶文をワープロで打ち、家内に代読させ、質問には黒板に書いて回答するという変則的な形で何とか乗り切った定期総会。

 毎日毎日が失意の連続…「声さえ出てくれば・:」、ともすれば沈みがちになる私を支えてくれたのは北鈴会の仲間でした。

 命と引換えに失った自分の声をとり戻し、それぞれ苦労の末、年月は違っても見事に再起された先輩の方々の姿は私の大きな心の支えとなっています。

術後四ケ月の今(その後気管孔の狭窄で再入院もしましたが)どうしても空気の呑みこみがうまくいかず苦労を重ねている段階ですが、時々自然に入った空気を小出しにし ながら連続的に声らしいものを出せることもあり期待をもちながらあせらず練習をしています。

 いろいろな会に所属し毎週は出席できませんがよろしくお願いをいたします。