<99年11月01日> 呼吸を整える (術後3年4カ月目)

話しをしていて声の調子が悪いときがある。この現象はしばらく声を出していなかったときとか、長く話を続けていたときなどがそうである。
この場合は、無理して話をすることはやめたほうがいい。どんなに急ぎの話であってもすぐ呼吸を整えるのである。その間は相手に待ってもらう。

結局はその方が確実に相手に話が伝わり、無理して話をしたりする時間よりも短くなることが多い。

急がば回れ

の心境となるのだ。喉摘者であることを忘れないことである。

ゆっくりとマイペースに話をすること。



<99年11月11日> 心構えも大切

日本武道には相手と正対したときにその武道の流派によっていろいろな構えがある。
でもいづれも共通していえるのは心構えという構えである。 食道発声法についても同じである。

上手に発声できればそれで完成ではない。我々喉摘者には人と接するときの 心構えも重要である。

たとえば

  • 声が出ないからいらいらして誰かにあたる。
  • 話相手に充分伝わらないのは相手に聞く耳をもたないからだ。
  • 喉摘者ということで甘えを出してしまう。

    などがあります。これらはすべて含めて食道発声法の域に入っているのではなかろうか。
    人との接し方など社会生活の全般にわたっての勉強も必要です。
    このことは、発声教室に通いたくさんの喉摘者と接して自然に覚えていくものだと確信しています。

    声を出す稽古と共に己の態度も養う。

    肝に銘じておこう。

  • <99年11月19日> 出しづらい音

    FV会(毎週金曜日の病院でのリハビリ)で朗読の稽古をやることにした。

    今までは近況報告ということで話し合っていたがその時間を短くして発声の稽古の時間にする事にした。

    短い文を朗読し、それをテープレコーダをとって言語聴覚士(ST)から指導受けるやり方である。

    指摘された言葉は、下記の通り。(赤い字のいいまわしを明瞭に)

  • ものをるのですから・・・
  • ・・・あるものですから・・・・
  • ・・・よ方・・・

    自分では気がついていないけれど、長い文を読んでいるとたまに口腔囁語になるときがあるみたいである。

    もう3年以上も発声教室で稽古をしていると指摘を受けなくなる。これが怖いのである。
    指摘を受けることによってさらに発声技術の高い道に進みたい。
    そのためには

    もうこれでよいと思う心を捨てなくてはならない。

    常に向上心を持つことである。