先ず空腸の方向性ですが、元々食べ物を大腸に送り込む働きをしていた訳で
方向性があります。
空腸を食道に移す場合には、食べ物が通りやすいように、上から下向きの形にするのが一般的です。
さて私も移植された空腸の動きをレントゲン写真で調べておりますが、空気を入れようとする時に
普通の食道と比べても驚くくらい、楽に広がって、空気がスンナリ入る人もいるかと思えば、
注入法によっても中々難しい人もいるし、良くは削りませんが、空腸の広がり具合には、
相当個人差が有りそうです。
所で空気を食道に入れるに付き、何らかの方法で口の中の圧力を高めるか、又は、口の中よりも、
胸の方の圧力を低くする訳です。この時に、移植た空揚がどうも広がり難いとなると、空気の
取り込みが難しいですね。
この場合の判断の目安として、食事がどのくらいスムースかと言う事が有ります。
つまり食べ物がスムースに通るなら、-空気も割合入りやすいしい逆に中々食べ物が通り難いをいう
ケースでは空気も入り難いと思われます
さて手術によって声を失った後は、第二の声を獲得するのが最大の目標であり、
多くの皆さんが食道発声の習得に努力されている訳ですが、人によりては電気喉頭(ラリンクス)に
よってコミュニケーションを回復する方策も立派な一つの選択だと思います。
(専門医)
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