空気が入らず発声が中断する

 食道再建を受け6ケ月ですが、咽頭の吸い込み、特に水を飲んだとき一時的に詰まります。
年月とともに治るのでしょうか。また吸引法マスターのため連続発声の練習をしていると、10回くらいを境に舌根の動きが低下し、空気が入らず発声が中断してしまいます。
これは反復練習で徐々に解決するものか、吸引の方法に問題があるのか、姿勢、頸、肩に力が入りすぎ等の影響でしょうか。

(平成10年:神奈川銀鈴会会報25号)

 食道再建は小腸の上部の空腸10〜15センチを下咽頭と食道の間に縫い合わせ、血管もつなぐものです。
空腸の以前の習性により、また水を呑むと再建部しまることがあります。これをゼン動運動といいますが、患者の半数に起き、最初に1日10回起こったものがだんだんと減り1日5回、2日に1・2回と改善していきます。咽頭摘出のみの人は食道入り口部は、普段しまっており、食べ物を通るとき開きます。

しかし空腸を移植していると入り口部は開いたままで空気を吸いやすいが、発声の時、即ち空気の逆流のときは指で入り口部を押さえ発声することになります。
食道再建者はいきなり吸引法で練習した方がよいでしょう。吸引法は舌を使わず注入と呑み込み法は舌を使います。舌の使いすぎが舌根を疲れさすのでしょう。
吸引法では腹式呼吸で横隔膜を強く上げ下げします。一番はじめは声は出ませんが続けて練習しましょう。発声では力が入りすぎるとよくありません。

(専門医)