転移と再発

  1. 喉摘患者のうち、肺癌、食道・胃がんの転移あるいは併発する割合はどの程度くらいでしょうか? 又喉頭ガン、下咽頭がんでも放射線のみ、あるいは放射線・抗がん剤治療の患者が肺がん、 食道・胃がんに転移する割合も解ればご教示お願いします。    

  2. 食道発声は逆流性食道炎の症状を悪化させる、と聞いたが、そのようなことはあるのか。

  3. 喉頭癌から食道へ癌が転移した場合の注意事項はどんなことか。

(平成30年:神奈川銀鈴会会報45号)
回答
  1. 再発とはがんの取り残しや生き残りがあって顔を出すもので、おおむね1年以内に起こります。転移は多くの場合、頸部のリンパ節に起こります。 喉頭とは細胞の種類が異なるため、胃への転移はあり得ません。ただ食道は下咽頭からつながっているので転移(取り残しがあれば再発)がないわけではありません。 術後3年や5年も経ってから、胃や肺にがんができるのは重複がんというもので、全く別のがんが出来たものです。 なお、重複がんについての明確な統計はありません。

  2. 食道発声は空気を食道の入り口にだけ飲んですぐ吐き出すもので、胃食道逆流症とは関係ありません。

  3. 食道への転移(あるいは手術の断端部からの再発)がないわけではありません。 確実な診断のため、胃カメラで食道も精査することをお勧めします。 もし転移があると診断された場合には、主治医と治療方針について、よく相談して下さい

(専門医)