<97年5月10日> 自信がつく (術後10カ月目)

 声を出して本を読んでいると、時間がたつと食道(気管?)が、かゆくなり咳がよく出ていたが最近はそれがなくなった。
同時に胃からの空気の逆流がおきて「ゲップ」がでたら今まではすぐ発声できなくて困っていたがそれがなくなった。だから唾をのんで、2〜3秒ぐらいで発声できる。

 毎日毎日、着実に進歩してきている。このようなことがあるから、この発声の稽古がおもしろい。以上なことで、発声について自信がついてきた。

 お風呂の中で、発声練習をしていたら今までと違って空気を充分に吸えた。(約2倍弱)長音の練習するとき吸う空気の量は、いままでの1.5倍であり、まだ使っていない食道に襞を訓練できたような気がする。



<97年5月16日> 軽い声

 話し始めるとき意識をし、これからは「話すぞ」という気持ちで声を出したりする。また、腹圧もかなり大きくかけないと語尾まで明瞭に発声できない。
これがいつもの姿だが、時々、意識しないで軽く話が出来るときがある。その状態の時はかなり発声練習しているときに起こる。



<97年5月24日> ゆっくり話す

 「シャックリ」をしながらも発声できるようになった。また、朝起きてすぐに相手に通じるぐらいの会話が可能になった。
長音の練習で喉の奥の方からの絞り込みがなんとなくわかったみたいである。それを行うと食道の襞が震えるのがよく分かり気持ちがいい。
音も徐々に大きくなってきた。食道の使える場所が長くなってきたためと思われる。

 神奈川銀鈴会で朗読を聴いていると、早く話すことが必ずしもベターでないことがよくわかった。ゆっくりと言葉を区切って話す大切さを身にしみた。一語一語、しっかりと発音する。特に語尾に気をつけなければと思う。

 今年の発声競技会で優勝した人は、まだ、銀鈴会に入会して1年未満で56歳の人らしい。私と殆ど同じ状況であった。
その人の練習は毎日ドレミファソラシドをやっていると聞いた。私もがんばらなくては。

    現在の悩みは、
  1. 胃に空気がたまったら、自分の好きなときにその空気を追い出したい。その方法を知りたい。
  2. 肩に力が入っていて、朗読中の音が一定でなく固くなって、最後には空気の呑み込む量が十分に出来なくなってしまう。
    (術後1年7カ月目)
    朗読中、声が出ないということはなくなった。やはり稽古の量だけ鍛えられていくと思った

    (術後1年8カ月目)
    喉頭摘出後に仮声門が作られる。この仮声門の収縮が強すぎると仮声門痙攣がみられ、空気摂取ができなくなったり、摂取できても発声時に仮声門が作動しないことがある。これは練習により解決され、収縮や弛緩のリズムが獲得されるようになる。


  3. いまだに「おはようございます」がしっかりと発声できない。
    (術後1年4カ月目)
    「おはようございます」はゆっくりと発声し、特に「よ」に力を入れる。


  4. 人と話をするとき、まだ進んで話す態度にかける。人から聞かれて答えている。そうでなくこちらから話しかけていきたいものである。