<98年04月09日>
うむ!楽しみ
(術後1年9カ月目)
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朝、社説の朗読中に食道の奥の方の管からグツグツと音がする。
丁度アワが吹き出るみたいである。力を入れてその空気を出そうと思っても時々しかでない。
今使っている食道部分との連結が完成すれば、今よりもさらに自由に音が出せるようになると思う。連結する時期が楽しみである。
夜、「一分間朝礼」を題材にした朗読の練習をしています。半年前の朗読に要した時間と現在のを比べると朗読時間に要する時間はほんの少し長くなってきている。
これは何を意味しているのだろうか?
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<98年04月17日>
尺八が吹ける?
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神奈川銀鈴会の小田原教室に通っているFさんが横浜教室に来て、尺八を披露した。
彼はだいたい私と同じ時期に喉頭摘出をした。その尺八の音色は力強さに欠けるが、すばらしかった。
とても感激をした。我々に希望を与えてくれるものである。はじめ指導員から尺八は無理であるといわれていたそうだが、それでもやってみたらしい。
東京銀鈴会には口笛、ハーモニカの名人はいるが尺八は初めてだと指導員はいっていた。
我々喉摘者は口から空気が出ないことになっているのだが、訓練でここまでやれるとは人間の身体の不思議さに驚く。
まだ練習したばかりだといっていたF会員の尺八の音色をここに(89KB)のせます。
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<98年04月21日>
多くの課題
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数日前から、発声法に変化が起きている。それは食道からの空気が食道入り口部の仮声門を急激な空気の力で容易に開けるようになったからだ。
どういうことかというと、今までは朗読中とか、話をしている最中に急に空気の出が悪くなって、そのため声が詰り、苦しそうな音となってしまう。
仮声門の緊張によると思うのだがそれが毎日の鍛えにより緊張の度合いが少なくなってきたみたいである。
最初の一語も自然に声が出せるようになってきた。また、吸引した空気が仮声門を通るときは気持ちがいい。食道発声の稽古が苦痛というより楽しみに近い。
現在の悩み
- 音が一定でない。(落ち着きがなく、ききずらい)
- 「あ〜」の長音が最高で3秒45である。5秒が目標
- 時々語尾がかすれる
- 朗読中に口を大きく開いても空気の摂取量が少ない。
- とっさの時の返事ができない
- 10分以上の連続朗読ができない。(一回はつっかかって15秒間休憩する)
- 会議の席上で自分の意見をいう勇気がない。
- 上に向かって「オ〜イ」下に向かって「オ〜イ」の区別ができない
- 「きんさん」「ぎんさん」の発音がまだ未熟
- 「は行」がまだまだ未熟
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<98年04月23日>
電話をかけた
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術後10カ月間は、電話がかかってきても受話器を取ることができず、ただその電話の音を聞きながら恨めしく電話を見ていました。
これではいけないと思い、毎日のように妻から昼休みに電話をかけてもらい電話で話をする稽古をいました。
そのためになんとか電話での話ができるようになったが、自分から家族以外に電話をかけることはできなかった。それが本日どうしても用事があってかけた。
電話をかける前に発声練習を数回やり、そして深呼吸を数回した。そのあと勇気を出して電話をかけてみた。
何とか通じたらしく用件が済んだときは「充実感」を味わうと同時に「うれしさ」がこみ上げてきた。
これが自信となって今後、抵抗なくすこしずつ電話がかけられそうな気がする。着実に一歩一歩、食道発声は前進している。
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<98年04月24日>
言語療法士
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週に1度、術後の身体の経過を診て頂いている病院に言語療法士(ST)がやってきました。
STとはどのようなのもなのかは私自身はっきりとわからない。でも確実にいえることは、嘱託として言語療法士が病院に勤務するということは我々にとって明るいニュースだと思う。
専門家の知識を得ながらさらに頑張ってリハビリに励もうと思っている。やる気満々である。またFV会の会員も喜んでいた。
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<98年04月30日>
今が大切
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ここ数日間は特にこれといった変化がない。それでもあいかわらず計画に沿って訓練をしている。
いつも思っていることは「今が大切」という言葉である。
私が一番好きな言葉である。
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