諸磯の隆起海岸に存在する地震の証拠として、穿孔貝(せんこうがい)による無数の小穴が挙げられる。
穿孔貝は波打ち際の地面や岩石に穴をあけて生息する二枚貝で、諸磯の隆起海岸にはこの小穴により4段の層が形成され、
過去に4回の地震が起きたことが推測できる。
看板の記述
国指定天然記念物 諸磯の隆起海岸
昭和三年二月二十四日 文部省指定
この崖の表面にみられる小穴の列は、穿孔貝の巣穴の跡で、
堆積時期を異にするシルト(砂泥)岩質の地質の側面に、小規
模のものを含めて六列ぐらい数えられる。
巣穴の多くは風化され、形はさまざまであるが、一般に下部
の列のものほど、よく保存されている。
穿孔貝(ほとんどがイシマテガイで、別名この貝をヒミズ
ガイ」ともいう。三崎ではこれを「ミズガイ」と呼んでいる。)
は、波打ちきわで岩をほり、巣穴をつくってその中で生活する。
したがって、古い巣穴の跡があれば、これから過去の汀線の位
置や高度を知ることができ、また、これによって、歴史上の大
地震の間隔や隆起量などが推定される
この崖の巣穴の跡は、この種の推定を試みるにあたって、そ
の出発点となったもので、それぞれの列は、いずれも、ある時
代に汀線だったことを示している。そして列の数や巣穴の保存
状態から、この場所が、過去なん回かにわたって隆起したこと
を物語っており、歴史上の大地震を知る上で貴重な資料といえ
る。
平成八年七月一日
三浦市教育委員会
//
[地図]
|