心の持ち方
心の持ち方 ・心に太陽をもて、唇に言葉をもて(日喉連会長のサイン)
(コロンビアライトさんの言葉:心に太陽を、唇に言葉を、世の中に笑いを。僕も頑張ります)
・半年や1年ぐらいで完成したなど軽々しく考えるな。
・基礎的訓練が必要です。一気呵成に上達しようと思うな。
・食道発声は習熟したとしても喋らないと下手になる。したがって食道発声は 生涯練習だと考えるべきである。
(術後1年3カ月目)
上達すればするほど食道発声の難しさが分かります。
・訓練の途中で、いらいらや緊張感が高まり気短くなってきたなと思ったら、一旦練習は中止して気分転換を図る
・あまりはやくしゃべるな
(術後1年0カ月目)
興奮すればするほど冷静に話すことです。
誰かにきてもらう
誰かに聞いてもらう 自分の発声を誰かに聞いてもらって、語尾まで明瞭にわかるかどうかを確かめてもらう。
また、テープレコーダを活用するのもよい。自分の弱点を見つけるのに役に立つ
腹圧をかける
腹圧の大切さ 発声音に音量を持たせるには下腹部に力を入れ腹圧を加えます。
・語尾まで明瞭に発声するには腹圧をかけることです。
でもこれが出来るようになるには食道内に充分な空気を入れなければなりません。
・言葉はできるだけ食道の上方からしかも尻上がりになるように下腹に力を入れて出す。
・空気は食道内に深く吸入しないで、むしろ浅く呑み込んで空気の出し入れの操作を早くする。
・1回に呑み込んだまたは吸い込んだ空気全部を、食道内に残すことのないように発声に使い切ること。
(術後1年4カ月目)
練習をしているうちに徐々にボリュウムが出てきます。大切なのは毎日欠かさず発声の稽古に励むことです。 はじめの2,3語をむしろ控えめに発音し、終わりの言葉に力を入れて発音します。たとえば、「おはよう」、「こんにちわ」「さようなら」「ありがとう」は最後の2文字に力を入れる。
(術後1年5カ月目)
上達してくるとその言葉によって力の入れる場所が違います。たとえば「おはよう」は「よ」に「さようなら」は「な」に、「ありがとう」は「が」にアクセントをつけると、すばやく発声できます。
<参考:腹筋運動>
練習方法
いろいろあります。 ・散歩などを際にはいつも歩きながら発声練習をするよう心がけます。人どおりのすくないところでは、 大きな音、あるいは調子の高い音を出してみます。
術後者の声は低いので周りに人が居ても聞こえません。
・同じ単語を何回も練習をする。
(術後1年4月目)
消音「サ」行「ン」をしっかりと発音する。
・電話での練習も必要である。
口元が見えないので1語1語明瞭に発声しないと相手に通じない。1語1語の大切さ を覚える。
身振り言葉を豊かにする
表情を豊かにする 口をよく動かし、相手の目を見つめながら喋る。
目や顔の表情を豊かにして食道発声の不十分な点を補足くします。
吸引法の会得
1日も早く吸引法を会得する。 呑み込み法」を覚えたら、すぐに切り替える。
吸引法の完成と吸気調整法の会得。それには反復練習が必要です。
(術後1年3カ月目)
上達すればするほど食道発声の難しさが分かります。
大きい音を出すには
私を含めて、食道発声では声が小さいといわれますが、どのようなことに注意したら大きくなるでしょうか。 「イッチ」「ニィ」「サン」とお腹に力を加えて連続的に号令をかける練習をします。散歩するときに試みるといいです。
また、発声するとき原音を食道の入り口部より上咽頭(鼻の奥とのどとの境の場所)の方へ、なるべく高い位置にぶつけるようにして出すこと。このようにして出た声は鼻の方にも抜けて響きが良く音が澄んでいて大きく聞こえます。
その他、上体をまっすぐにして、やや上向きの姿勢で発声すること。口を大きく開いて共鳴を良くすること、大声を出そうと意識して力みすぎるとかえって出来ません
イ音がうまくできない
私は食道発声初歩の1年生です。やっと原音「ア」が出るようになりました。つづいてイ、ウ、エ、オを練習していますが、なぜかイ音が上手く出ません。どうしてでしょうか 共鳴腔が狭くなるのが一因です。
発音器官を発声器官と構音器官にわけますと、発声器官(食道発声の場合、食道入り口部にあたる)で音を出して、口の中の構えの変化によってことば音となります。
母音はなかでも日本語の基礎をなす重要なもので、ア音は比較的楽に出せます。しかしイ音は発音するのにどうして難しいのでしょうか。
これについて東大の広瀬教授のトレースされた発声時のレントゲン線像によりますと、図に示したように「ア」の構音の際には、舌の筋肉は比較的ゆるみ、顎は大きく開いて口腔内は広く、咽頭は狭くなります。これに対して「イ」では舌が高まり、顎の開きが小さくなり、このために口腔内は狭く短くなりますが、咽頭部は広くなるのがみとめられます。以上の観察から、イ音の場合には、
(1)口腔内の共鳴腔が狭くなること
(2)咽頭部が広くなるので「ア」の場合とは様子がちがって音が出しにくい。吐出の空気がながれにくい。
などの理由から考えました。しかし、これも発声練習の最初のうちだけで、練習を積めば、アもイも同じように発音可能になります。
どうすれば上手に発声できるか
食道発声練習の際に、初めは原音「ア」を出すのに力をふりしぼり、精一杯やってようやく出ましたが、上達するにつれて発声が楽に、長くつづくようになるのはどうゆう要領なのでしょうか (食道の入り口)の振動にマッチした呼気圧(空気を上方へおし出す力)で「ア」と軽く発声する。初めこの空気圧は力一杯にしないと出ませんが、上達するにつれてごく軽く使うコツをおぼえたからです。この要領からスタートして「今日は」「有り難う」「今日はよい天気ですね」など、さらに新聞の記事の音読も上手に出来ます。
食道発声の効果的練習法は
食道発声の練習を始めたばかりのものです。食道を柔らかくしようと湯船のなかでもみながら練習していますが効果はありますか。そのほか、食道発声の効果的練習法を教えて下さい。 ご質問のように湯船に使って食道のマッサージをしながら練習をするというのは、あまり意味がないように思われます。
というのは、食道は胸部の肋骨の内側にあるので、体の表面のマッサージはとてもなかの食道まで指が届かないからです。やはり、発声教室に通って指導員の先生から手ほどきを受け、一定の順序にしたがって次々と計画をたてて勉強すること、階段を一歩一歩上っていく要領ですね。
こうしたらずばり上達の近道だという練習法はありません。要はその人のやる気と根性と熱心な練習の積み重ねが最も効果的な練習法でしょう。
練習に望むための具体的方法としては、テレビ体操を励行して体をやわらかくすること、とくに腹筋を鍛えるために足のつま先を固定しておいてボートを漕ぐときの腰から上の屈伸運動を1日何回か繰り返してみます。
鍛えた結果ですね。発声練習にも腹筋がつよいと、お腹からでるしっかりした食道発声に成長します。
気管孔からの雑音が気になる
食道発声で喋るとき、気管孔から「シュッ」「シュッ」と音が出て相手に不快感を与えてないか気になります。この気管孔の音を上達者はなくしているようですが、その要領を教えてください。 声帯がまだあった頃、発声しようとすると肺からの空気が声とともに口の方から出ました。手術を受けた後、そのつもりで「ア」といっても気管孔から「シュッ」と音がするだけで口からはなんの音も出ません。
それは肺と口や鼻との連絡が手術によって失われたからです。つまり、気管孔からの雑音が大きいのは以前の発声習慣が残っているからです。この雑音は、とくに食道発声練習の初心者によく見られます。
まずは、はじめ原音「ア」を出そうと力んだ際に、呑み込んだ空気が少ないので食道からの空気の代わりに肺からの空気が気管孔を通して鋭く「シュッ、シュッ」と雑音が出てきます。
また、かなり上達した人でも、もっと大きい声を出そうと気張ったときにもこの雑音が大きく聞こえます。この雑音は発声練習のじゃまになりますので、出さないようにするためには、食道に吸い込んだ空気を大切にお腹にぐっと力を入れておし上げるようにします。
そして気管孔より吐き出す空気は、控えめに調節しながら「ア」と発声します。お腹から口までをひとつの円筒だと考えて、底からおしあげて声を出すのだ、といった要領でやってください。
もっと上達して本当にお腹を使って声を出している人では、気管孔からの雑音はほとんどわかりません。
食道に一度に多くの空気を取り込むコツ
食道発声の練習を開始して6カ月になります。「アハヨウ」「コンニチワ」など簡単な言葉が話せます。食道に一度に多くの空気を吸い込めば、もっと長くはなせると思いますがどうすればよいでしょう。 大量の空気を一度に取り込む要はありません。吸引法の練習をすること
今から30年以上も前の話ですが、私がまだ大学病院に勤務していましたところ、食道発声法とは空気をどんどん食道へ飲み込んで喋るものだということで、一人の患者さんを指導したことがありました。
この人は非常に熱心に練習に励み、ついに私の目の前で一息に100文字をつづけて喋ったのには驚きました。しかし、そのあとさすがに苦しそうで次の言葉がしばらく出ませんでした。
空気を飲み込んではしゃべったりしているうちにどんどん胃の中にたまってお腹がパンパンになり、かえって苦しくて話すこともできなくなります。食道発声では、いちどにそんなに長くつづいてしゃべる必要はまずありません。そのかわり、いつどこでもすぐ声のだせる吸引法を習得するほうが良いと思います。
練習の順序として、はじめは「呑み込み法」を勉強します。そして自由自在に発声が出来るようになったら、今度は会話にすすむために「すいこみ(吸引法)」の練習に切り替えます。吸引法の要領は口を閉じて鼻の奥の分泌物を急に吸い込もうとするときのあの動作を思い出して下さい。こうしてひといきに食道へ吸い込みます。
はじめは空気が入っても、はいらなくとも「ア」、「ア」とやってみてください。そのうちコツを覚えて「ア」と出るようになります。その後、口からも吸引することが出来るようになります。すいこんは空気は、次の会話で全部使ってしまうようにします。
一方、呼吸のほうは吸引のときに気管孔より空気を吸い、発声のときは吐き出します。また吸引法上達のコツとして「うがい」ができるかどうか何回も試みてください。口の中に水を含んだまま、鼻から空気を吸い込んで上をむいてガラガラとやるのです。
うがいのできることは、鼻から空気が入っている証拠です。5回も10回もつづけて出来るようになれば吸引法による発声はあなたのものです。したがって一度に大量の空気をとりこむ必要はありません。
吸い込んだ空気はその都度全部使って、5〜6語ずつゆっくり話をしてください。
ゴロゴロと雑音を伴った声
食道発声でお話のかなり上手な人に、どうかすると「ごろごろ」と痰のからまったような声になり、聞きづらいばあいがあります。 これは、しゃべっているうちに「つばき」がたまってしまい、食道入り口の振動音がじゃまされるためにおこる現象ですね。極端な場合をいいますと、我々が朝の洗面時にうがいをしながら声を出すといった調子です。
声を良くするためには、発声部位はいつもきれいにしておくこと、うがいをしてもよろしい。また会話中の途中でわからないように「つばき」をすばやくのみこむ訓練を積むこと。
そして発声した音をできるだけ鼻とのどの境の部へ高くぶつけるようにして、鼻へぬくような出し方をします。すると、いままで低音だった声が、よくとおる、明るい、響きのよい声になることがあります。
食道発声中にコチコチになる
練習の初期に起こる現象で声を出すのに全力をふりしぼって行い、顔を真っ赤にして汗をふきふき、くりかえしこころみている人がいます。 全身ことに肩や首に力をこめて頑張っていますと、そのうち心臓がドキドキし、目がくらくらして気分が悪くなり、目眩がしてきます。
原音「ア」がでてもでなくとも、食道へ空気を「ひとのみ」、または「ひとすいこみ」を行ったらすぐ声を出してみる。正しい姿勢で両手を膝の上に置き、上半身をリラックスさせ、そのかわりお腹にはぐっと力を入れて何遍も試みて下さい。このほうが早く原音が出るようになりますよ。
上達された人は、1時間でも2時間でも話をしてもちっとも疲れません。それは全身をリラックスした状態で、かるく、かるく話しているからです。
空気吸引時に音がする
私は空気を食道へすいこむ方法を一生懸命練習しているうち、やっと音が出るようになりました。しめたと思い、毎日すいこんでは「ア」「ア」と発声して喜んでいました。
ある日指導員の先生から「あなたは空気を吸い込むときに「ア」「ア」と音が出るので、どちらが本当の食道発声か分からない。すいこむ折りに音を出さないように」と注意をされました。どうしたらよいでしょう。これはひとことでいえば、まちがった吸引法をやっているからですね。口の方から空気を吸引するとき、口を「ア」の形にしておいて舌の奥の方と軟口蓋とを閉じたままですいこむので、ここから振動して「アッ」と聞こえるのです。
例:「アッ」私は、「アッ」、田中「アッ」太郎と、「アッ」、もうします・・・というようにきこえるので、非常に聞きづらい話し方となりまね。このくせをなおす方法としてのどの奥をひろげたままにして空気を吸引すること、まちがった音の出る場所よく認識してださないように、吸い込む工夫をして下さい。
また別の方法として、口を閉じて鼻から吸引して発声する練習をするのも一つのやりかたです。ぜひ試みてください。
随伴運動(むだな動作)
多くの練習者の中には、喋るための空気をのみこむ際にいちいち下顎をぐッぐッと手前にひきつけ、発声するときに突き出す動作をする人、また首を伸ばし、鶏が水を飲むときのように何度ものみこみ運動を繰り返す人がいます。 鏡を前に置いて、練習をしよう。自然な発声の仕方が食道発声においての理想ですから、こういった目立つ随伴運動の動作ははやくやめましょう。
上達された完全吸引法の人の話し方を観察しますと、いつ空気を吸引してしゃべっているか全然わかりません。そして会話はごく自然びすらすらと流れるように行われているのに感心します。
語尾が消える
食道発声の基本問題がまだ充分にマスターされていない人達では、簡単な日常会話にも語尾が弱まったり消える人があります。またかなり実力のある人でも、会話をすると、ときどき語尾のはっきりしない人を見かけます。 これはしゃべることに無頓着な人に多く、語尾を正確に発音するかしないかの違いで、いかに話の内容が相手によく通じるかは想像以上です。上達の途中にある人では、基本に忠実に「アー」「オー」「エー」と長母音を、「ア、ア、ア」「オ、オ、オ」と一息でする連続母音の練習をしっかりやってからにしてください。
実力のある人は「語尾を正確に」という少しの注意で、会話のコツをしっかりつかむようになります。
空気の吸い込みについて
空気の吸い込み、呑み込みが上手くできないのですが?(平成8年) 気管孔から胸一杯でなく腹一杯空気を吸い込む感じで動作し、次に胸はそのままにして腹で絞り上げて発声する。仮に声がでなくともこの練習をつずけると食道入り口部が柔らかくなり声がでるようになる。
また、お茶を少しふくみ空気を吸い込み、上を向いてガラガラする。音がすれば鼻からの吸引が出来ている証です。同時に吸引力をつける練習にもなります。(専門医)
音量を大きくする
声量が大きくならなくて困っていますが、良い方法がないでしょうか?(平成8年) すでにかなり上手になっていますね。声を大きくするには、@健康たることA正しい姿勢、顎をひき肩の力を抜き口を大きく開くB腹式呼吸の呼気を強くしC食道入り口部の少し上の襞に力を入れる。D下腹に力を入れて押し上げることが大切ですね。1,2、3,・・の号令を反復練習するとよいですね。声が大きくなると一番難しいハ行がよくできます。(専門医)
音の音程について
声の音程について。上を向いて発声すると高音が正面を向くと普通の声が、下を向いて発声すると低音がだいたい出るようですが、この理解は正しいでしょうか?(平成9年) 声の高低は声帯(食道入り口部−新声帯)の振動数で決まる。(ヘルツで表す)入り口部の振動をいかに調整するかにかかっている。ある女性指導員は高音を出すために食道再建部を押しながら力強く発声する。低音は弱い力で発声している。(専門医)