<97年6月06日> 歌の練習

 神奈川銀鈴会での発声教室が終わってから、の練習をしているらしいのでちょっと覗いてみた。
歌を唄うは、発声練習にはとても良いと知っていたので歌のクラブに入会させていただいて、カラオケもどきをやった。たしかに長音発声の練習と腹圧のかけかたの練習はとても良い。同じ仲間に入れてもらうようにお願いした。

     現在の悩みは
  1. 食道が急に狭くなる感じがし、そのときは音は高いが、空気の呑み込み量が少なくなって苦しくなる。食道に襞がくっついてしまうように狭くなる。20秒ぐらい休むと普通の状態に戻る。
    (術後1年7カ月目)
    このようなことはなくなった。


  2. 空気を呑み込む(吸引法で)とき、また空気があるときに呑み込んでしまう。そのときは、一瞬詰まってしまう。腹圧が影響しているのか?わからない
    (術後1年4カ月目)
    解決策は「食道発声法・佐藤武男著」 のP84に次のように書いてあります。声門が形成されていても、収縮が強すぎると仮声門けいれんがみられる。空気摂取ができなかったり、摂取できても発声時に仮声門が作動しないことがある。これは練習により解決せられ収縮のリズムが獲得せられるようになる。


<97年6月10日> 文字の区切り?

 毎朝、社説を読んで(上半分だけ)いて10日目になった。だいたい10分弱で読めるようになった。
でも途中で5秒以上の休みが5〜6回ぐらいある。これを解決しなくてはと思う。

朗読するときどちらの方法がいいのか迷っている。それは、一つの文を読むときに、5〜6文字で区切って読んだほうが良いのか、または区切らないで、一気に句読点まで読んだほうが良いのか迷っている。
一気に句読点まで読んでも別に苦しくはない。30〜40文字までは一気に読める。

妻は一気に読んだほうが自然に聞こえると言っているが、本では5〜6文字ぐらいで区切って読みなさいと書いてある。
どうしようか迷っている。

今までは、5〜6文字で区切って読んでいた。これから一気に読むことにしようと思う。ただし、語尾がかすれたり、また不明瞭は発音があったりしたら5〜6文字に戻して読む。

(術後1年7カ月目)
社説の朗読で調子の良いときは1回も休まないで読める。平均すると2〜3回休む。



<97年6月15日> 鏡の贈り物

 父の日に大きな鏡を妻と子供からプレゼントされた。今後、発声練習をするときはこの鏡を使って、悪い癖を直そう。
いままでは自分の発声しているときの姿を見たことはなかった。特に最初の声を出す時は悪い癖に注意しよう。
2〜3日前から大きな声が出てきた。

(術後1年6カ月目)
最初の発声はとくに「くせ」がでやすい。注意が必要である。この時期を乗り切ってしまうと後は大丈夫である。



<97年6月18日> 癖を直す

 発声練習をしているとき大発見をした。悩んでいた事が一気に解決しそうである。今までは、最初の発声で食道に空気を入れるとき、頭がほんの少し動いていた(悪い癖)。
それで、鏡をみながらどうすればよいのか、考えていた矢先のことであった。

   発声のとき、食道に空気を入れなければという意識が強いために起こる頭の揺れである。この頭の揺れを固定して、その揺れを肩から下に移動すればと思った。
呼吸するときに、肩で呼吸をする感じで実行してみた。すると動きが完全に移動できたのではないか。
また、発声音は呼吸と同一周期でできた。そういえば、同一周期という言葉がどこかの本に書いてあった。この肩の揺れを止めることを何度も何度も練習をしてみた。何とかなりそうである。

 この方法で発声すると言葉の区切りが5文字〜7文字がもっとも話しやすい。N会長が言っていたことがようやく分かりかけてきた。
またこの方法で発声すると音量は大きい。

 しかし、いままでと違って、気管孔から空気がいきよいよく飛び出している。この空気がもったいない。すこしでも音に変換したい。
一つ解決するとまた新たに悩みが出てくる。
「自分の声は自分で作れ」というM指導員の教えを思い出す。
心の中では「私は、超初心者だ。だからもっともっと訓練をしなくて」と思っている。

 食道発声法とは奥深いものである。



<97年6月20日> グチャグチャ音

 肩で呼吸をするという意識はなくなって、普通の呼吸で会話が出来るようになった。
呼吸をすると空気が肺に入るのと同時に意識しないで食道に入っていくのだ。
今までは、食道に空気を入れるのに意識しないと入っていかなかった。それは、食道の入り口が固いために生じていた事ではないかと思う。
それが悪い癖を生みだしていたり、音の強弱、高低が制御できなくしていた。練習の成果でこれら制御できなかったことが可能になったと思う。

 そのため、最初の発声が自然の姿ででき、しかも喉頭摘出前と同じように会話がスムーズに出来る。夜の朗読練習でそれが初めて出来た。これが朝方の社説を読むときに出来たら良いのにと思う。

 基本練習をしていて最近、食道の未知の部分が開発されていく感じである。
特に「は」「ひ」「ふ」「へ」「ほ」の発声音の時にグチャグチャ音が出る。
これはこれは嬉しいことである。
なぜなら、グチャグチャ音がいずれ響きのある音に変わっていくことを経験で知っているからだ。

最近の悩みは、
 ・とっさに挨拶されたら返事が出来ない。
 ・横になっての発声はまだ十分とは言えない。
 ・音が柔らかく、唾が絡んでいるような音質になるときが以前よりおおくなった。
 ・歌を唄うとき、もう少し高音を出したい。
 ・笑い声を出したい。
 ・発声の途中で咳とシャックリが出る。

(術後1年7カ月目)
咳は出なくなったがシャックリはたまに出る。



<97年6月26日> 1年目の発声

 声を失ってちょうど1年目である。
1年目の感想を「(157KB)」 を録音した。


<97年6月27日> 弱点を指摘された (術後1年目)

 神奈川銀鈴会でF指導員から講評を頂いた。それは、次の2点である。
 (1) もっと声をのばすこと。
 (2) 言葉を短く区切りすぎる。もう少しまとめて区切るように。
以上の2点であった。

(1)は今まで通り基本練習を積んでいくことにする。
(2)は朗読の時に気を付けるようにする。実は、このことがいま最も悩んでいたところであった。指摘されてとても感謝している。今後、出来るだけ区切りは句読点でするように心掛ける。

 それと、ときどき5〜6文字の単語の発声で、絞り込みが足りないために生じる語尾のかすれ又は無音がある。朗読の時は気にしているのでそのようなことがないが、会話でよくあるので注意をしよう。
語尾を発声するとき絞り込みを必ずするようにくせをつけようと思う。