ある秋の晩の事、何者かが寺の庭で大騒ぎしている。寝ていた和尚は目を覚まし外の様子に耳を凝らしてみると、それはお囃子のようであった。不思議に思いこっそり庭を覗くと庭の真ん中では大狸が腹を叩いてポンポコと調子を取り、それを囲むように何十匹もの狸が楽しそうに唄い踊っていた。 その様子を見ていた和尚もつい楽しくなってしまい、思わず庭に出てしまう。そんな和尚を見て狸たちは「まだ驚かないのか!?」とばかりに、さらに大きく腹鼓を鳴らす。和尚も負けじと対抗、まるで和尚と狸の音楽合戦である。 それから毎晩、和尚と狸たちは唄い踊っていたのだが4日目の晩、狸たちが一向に現れないので和尚が不思議に思っていると翌朝、庭には調子を取っていた大狸が腹を破って死んでいた。不憫に思った和尚はその大狸を懇ろに弔ってやった。 ウイキより、絵はフリーから大幅に削除したが、素晴らしいと思います。 |