ゆさん、なずなさん、おはようございます。本当に立派なトラフグですね!私はトラフグは2回食べました。他のフグは、もう数えきれないほど食べています。サバフグは毒がないので、素人でも捌けますし、ハコフグは、皮膚以外には毒がないので、これまた素人でも出来ます。この他、三浦半島では、ショウサイフグが多かったのですが、最近は東京湾でも相模湾でも、トラフグが釣れています。温暖化のせいでしょうか?トラフグの次に美味しいというアカメフグは、釣った事はありますが、食べた事はありません。 サバフグが食べられると教わった時、「似ているのにキタマクラがあるから気をつけろ。食べると北枕になるぞ」と、脅かされました。キタマクラは、やたらと釣れます。その話を聞いて以来、魯山人が住んでいたという北鎌倉を、 電車で通過するたび、その話を思い出します。ひらがなで「きたかまくら」と書いてあるのです。 閑話休題、フグの毒成分は、テトロドトキシンと言い、(ハコフグの毒は、パフトキシン)天然物有機化学がお家芸の日本の化学界では、その構造特定に躍起になりましたが、私が生まれた頃、学会で日英同時発表になり、競争はドローで終わりました。テトロドトキシンの作用は、筋弛緩であり、呼吸筋の弛緩で、窒息死します。解毒剤も、ありません。(サソリの毒とトリカブトの毒は、互いに解毒剤になります)昔は人工呼吸器がなかったので、黒いゴムで出来たラグビーボールみたいなのを、手で握って、空気を送り込むしか、ありませんでした。私も一度やらされましたが、手が痛くなり、5分と続きません。 これを一晩中続けなければ、フグ中毒者を助ける事は出来ないそうです。なので家族にしか出来ないとも言われています。波打ち際に首まで埋めても、何の効果もありません。 フグの毒は、微生物から取り込んだものですから、 養殖すると無毒になるそうです。フグ自身がどうして毒に当たらないのかは不明ですが、実は中毒しているから、ふらふらした泳ぎ方しかできないのだと言う人もいます。 私はもう、懐具合が寂しいので、トラフグには手を出さず、近縁種のカワハギの肝あえを楽しんでいます。最もおいしいと言われるトラフグの肝は猛毒で、70年代前半に、これを食べた有名人が死にました。美味しんぼにも、トラフグの肝に最も近い味の食材を競う会がありましたね。 |