民藝ですか。 以前、栞さんから60年安保は何だったかと訊かれて、集団発狂とお答えしましたが、民藝にとってはとんでもないことで、命を賭けた正義の戦いだったのでしょうね。でも、あれがポシャッても、皆さん打ちひしがれた様子もなく、涼しい顔をしていましたね。天下泰平でした。福田恆存はそれを見通していたのでしょう、騒動の真っ最中に「やがて雲散霧消する烏合の衆」と喝破し、正確にそうなりました。
佐々木研さんはお若いので、あれには加わらなかったかもしれません。文学座に入る前だったでしょうか。とにかく左へワッショイ、右へワッショイ、再び左へ・・・かくて、こともなく、時は過ぎ・・・全てがいい時代なのです。今も同じでしょう。安保反対も核武装賛成も、世間の風向き次第で言葉が変わるだけで、本質は同じことなのです。
因みに私は、新劇は福田恆存の雲と浅利慶太の四季以外に見たことがありません。 |