福田恆存未亡人敦江さんから頂いたお手紙。三寸は福田恆存に心服、深く学びましたが、生前面識を得ることはありませんでした。三寸の師匠N先生は福田恆存の高弟ですが、その方から数年前、三寸の自著を敦江夫人にお送りするよう勧められ、取り計っていただき、従ったところ直ちに頂戴したのが、このお手紙でした。当時90歳を超えておられましたが、文字・文章の立派なこと!平明達意で情理兼ね備えた超名文で、流石に、恆存先生があの名著『私の国語教室』の執筆に当って常に相談相手にされたわけだと私も感心しました。三寸の喜ぶまいことか、ずつと家宝として掲げています。 編集者だった三寸には恆存先生に近寄る機会はいくらもあった筈ですが、先生に最も相応しい場をとあれこれ考えているうちに機を逸したのでしょう。その代り、今は福田先生を崇拝する、自分よりも若い人たちの組織する現代文化会議の方々と付き合っているようです。 『国語教室』を絶対的聖書とする三寸は、頑として歴史的仮名遣ひ、正字を守っていますが、私はそこまでは付き合えません。――どうでもいいことでした。失礼しました。
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